日本人がニューヨークから世界へ。女性ストリートアーティスト「LADY AIKO」
歴史的に男性優位だった世界のストリートアートシーンにおいて、“最初の著名な女性ストリートアーティストのひとり”として評価される、その名も「LADY AIKO(レディ・アイコ)」。
東京で生まれ育ち、90年代の中盤にニューヨークへ渡った彼女は、現代美術家・村上隆のもとでアーティストとしてのキャリアをスタート。その後はニューヨークを拠点に活動するストリートアート集団・FAILEのメンバーとなり、長年にわたって国内外で作品を発表。さらにはソロアーティストとしても国際的な成功と知名度を獲得し、LADY AIKOはグラフィティやストリートアートシーンにおいて、新世代の女性にインスピレーションを与えるオンリーワンの存在として今なお語られている。
日本の伝統はLADY AIKOのアートに大きな影響を与え、作品には桜・芸者・複雑な模様といった伝統的なモチーフが数多く登場。また、アメリカのポップカルチャー・漫画本・ストリートアートスタイルなどからもインスピレーションを得ている。その上でLADY AIKOの壁画やストリートアートの多くは、複雑なステンシル作業・大胆な色使い・遊び心や官能的なイメージが特徴となっており、女性らしさと都会的なエッジを融合させることで、愛・美・女性のエンパワーメントを称賛している。
そしてうさぎ年生まれのLADY AIKOのシグネチャーである“Bunny”は、自由・平和・幸福・回復力を表す個人的かつ象徴的なアイコン。2005年にバンクシーのスタジオで最初のウサギのステンシルを作成し、バンクシーの承認を得てバスルームのドアでテストしたと言われる“Bunny”は、やがてLADY AIKOにとって力強い癒やしの存在となり、人生における希望と生存の象徴となった。
世界中のパブリックアートプロジェクトに参加するとともに、手掛けた壁画はニューヨーク・ロサンゼルス・東京・ロンドンなどの都市にあり、シェパード・フェアリーやバンクシーなどの著名なアーティストとも繋がりを持つLADY AIKO。ストリートアートフェスティバルと美術展の両方で高く評価される彼女は、多才で影響力のあるアーティストとしての地位を確固たるものにしている。